アジャイル開発でアプリができるまで
アジャイル開発とは
アジャイル(Agile)とは日本語で(動きが)機敏な、素早い、頭の回転が早いという意味の英語の形容詞です。従来のソフトウェア開発の手法、ウォーターフォール開発などに比べて開発期間が短くなるため、素早い開発手法=アジャイルと呼ばれています。
従来のソフトウェア開発の主流ウォーターフォール開発は最初に全体の機能設計や計画を決定し、それに則って開発、実装していく方法でした。それに比べこのアジャイル開発では開発期間が短縮され、1週間から1ヶ月の短期の反復期間でどんどん機能を追加していく手法です。まず大まかな計画を立てて、開発を小さな単位に分けます。その実装、設計、テストを行い、足りない部分や欲しい機能を付け足していきます。
アジャイル開発でアプリができるまでの流れ
「遊びBAR」という店に入った見知らぬ男女が楽しく一緒に遊べる大人の娯楽店でのWebサイト満席率表示管理を例にアジャイル開発の流れを説明します。
1.アプリ開発の必要性
(1)遊びBARの満席率表示
遊びBARでは店に遊びに来ようとしているお客様のために店の賑わい
具合のわかる満席率と現在店にいるお客様の男女割合をWebサイト上で
リアルタイムで表示させようとしていました。
(2)問題発生
しかしこの満席率は店内からの操作で更新できるものではなく、接客中
のスタッフがわざわざホールを抜けてバックスペースのオフィスに戻りパソコン
画面から数字を更新していました。
そのため忙しい時はホールを抜けることができず、数字の更新が滞ってしま
うことが問題でした。
(3)アプリ開発依頼
この満席率の数字の更新をパソコン画面からだけでなく、ホールから行う
ことができたら忙しいときにもわざわざホールを抜ける必要がありません。
その手段としてアプリ開発が依頼されました。
2.アジャイル開発でのアプリ開発
(1)初期仕様の設計
アジャイル開発では大まかな計画からたたき台を作り、実際に使ってみ
てテストを繰り返し、機能を追加していくという開発方法をとります。
今回の例では満席率の更新をアプリで行うことが目的なのでその機能のみ
実装アプリを開発し、実際にテストをしました。
(2)第一段階
まず満席率0〜100%を更新できるアプリを開発しました。0〜100%の
ボタンをアプリに設置することでタップ一つでその数字がWeb上に反映
されます。
(3)第一段階テスト
第一段階のアプリが完成するとさっそくスタッフが使ってみました。
何日かは問題がなかったのですが、ある日お客様が多く120%の表示を
する必要性が生じました。しかしアプリでは100%の更新までしか
できません。従来通りパソコン画面から120%と更新することになりま
した。
(4)第一段階機能追加
第一段階のテストでは満席率は100%までではなく120%まで表示する
必要があることがわかりました。そのためアプリからも120%まで表示
できるようにしました。まず第一段階の問題は解決しました。
(5)第二段階
アプリは120%まで表示できるようになりました。しかしWebサイトに
は満席率の他にも男女比も掲載しています。そのためアプリから男女比も
更新できるように依頼しました。
(6)第二段階:初期の問題解決
アプリから満席率だけでなく男女比も更新できるようになりました。
ホールで全て変更することに成功し、オフィスに戻る必要はなくなりまし
た。
(7)第三段階
ホールで満席率の変更ができないという初期の問題は解決したものの、
アプリを利用していくうちに次の問題が発生してきました。
遊び場には梅田、心斎橋、三宮、栄店の閉店後に
満席率がリセットされていないことがありました。また違う店舗が0%になっていないことに
気がついても他店舗の操作ができず、電話で連絡していることが発覚。
(8)第三段階:問題解決
閉店後の満席率がリセットされないという問題に対処するため、アプリ
にオールリセットボタンを実装しました。これは閉店後に満席率が0になっていなかった場合、
オールリセットボタンを押すと全ての店舗の満席率が0になるようにしました。
(9)最終段階
最後にアプリの管理画面のデザインの変更を依頼しました。ロゴと
バックカラーがグラデーションになりポップなデザインに仕上がり
ました。
(10)開発完了
現場に合った必要な機能が過不足なく揃った無駄のないアプリが完成
しました。お客様の評判も良く顧客満足度も高い結果になりました。
3.まとめ
今回はアジャイル開発手法を用いて実際にテストと現場の声を反映
させたアプリ開発を行いました。結果無駄のないアプリが完成したことで
お店も従業員もお客様も満足のいく結果になりました。
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