【社長対談 最終話】元ウィルコム社長の喜久川氏とアプリについて語る。
【社長対談】元ウィルコム社長の喜久川氏とアプリについて語る第3話 元ウィルコム社長の喜久川氏がアプリクッキングのAPP-BARに遊びに来てくれました。前回の「アプリは早めに始めるべきか?」の話しから、今回は「このままだと地方は取り残されてしまう」「コンシューマーが進化してる」などを中心に語っています。そろそろアプリなのかな?と思われている皆さまご覧ください。
だとすると全部後追いになっちゃって、今アプリもまさにそうなってる!東京とか、大企業中心に…例えばコンビニでアプリだとか、多分このペースでいくと後5年とか、何年かして、地方の会社も入れるっていう順番に、このままだとなると思うね。
で僕は絶対に間違えてると思う。
一遍に、全国でやった方がいいと思うんです。
通信(事業)、25年ぐらいいたんだけど、僕が、大学出て、通信にかかわった頃はやっぱ日本の通信ってのはアジアまたは世界の中でトップクラスだった。
それはまだ、携帯電話全くない時代で、いわゆる、「もしもし、はいはい」の電話。固定電話って呼ばれるものと、企業間を結ぶ専用線っていうビジネスをずっとやってたんだけど、ケーブル使って、固定電話を作って、今度はそれを光ファーバーに変えて、「これがメインストリーム!!」それで「大容量を転送するんだー」とかっていうのが、当時の日本の主軸だったんです。
で、それを、じゃあ逆にそういう仕組みを世界の主流でもっていこうと思って、東南アジアとかあるいは当時、中国もそうだけど、通信においては圧倒的に日本に対して遅れてた訳。まぁアフリカなんかもそうなんだけどね。そういう、固定電話、光ファイバーっていう順番で行くかって言うと…それやってるとさー、いつまでたっても先進国に追いつかない。もっと言うと、電話なんて、何千人に一人とかしか電話使えない。っていう状況を一挙に、普及率を100%近くするためには、いちいち線なんか引いてられないし、銅のケーブルとか引いたら、盗まれちゃう。笑
それをお金に変えようみたいな!!笑
当時は、GDPなんかも低かった訳だから、そうではなくて、一番大事なのはいわゆる通信のネットワークが広く行きわたる。早くね。これが一番大事だったから、最新のモバイルいわゆる携帯電話の仕組みで一挙に国民に通信を普及させた方がいいじゃないかっていうことで動いたわけよ。(世界は)
日本は順番でやったじゃん
何でも順番ですね。
そう!順番でやってた。
で、結果今何が起こってるかって言うと、そのモバイルのネットワークの上でいわゆるWebサービスが一挙に普及しちゃったわけよ。世界的に!これは、要するにパソコンのインターネット、モバイルのインターネットは違いますってのが日本の流れだったんだけど、通信速度とか関係なくなるから。モバイルだろうが、PCだろうが、一個のウェブ!って感じでやった結果、日本は全部逆転されたわけですよ。
東南アジア、中国、全部。アジアの中で通信後進国になってるもんね、日本。後進国って言ったら怒られちゃいそうだけど。
はい。
実際そうなってる。何をやるにしても!
例えば、ECにしろ電子マネーの話にしろ後追いになっちゃってる。
で、これが、日本の中で、大都市圏と地方と順番にやっていく。じゃあ大都市、大企業でやったものを、5年ぐらい経ってこっち(地方)でやりましょう。もう時代遅れになるよ。地域がどんどん。
で、日本が右肩上がりでどんどん成長してる時代で、あるいは東京が世界で一番強いマーケット!もうそんな時代じゃない。
ね?ここより遅れることをやってるってことは世界でずーっと取り残されてるってことだから、これはやっぱりなんか変えなくちゃ絶対いけない。さっきの通信の発達の歴史でもドジ踏んだというのが僕のすごくベーシックな気持ちにあって!
一方で、コンシューマーっていうか、消費者の行動って、東京だろうが地方だろうが、実はあんまり変わらなくて、みんなこれ持ってます。スマートフォン。みんな電子決済やってます。店が全部なくなるから、アマゾン楽天どんどん使ってます。で、悪くても、もう通販、宅配にしましょう。で、これ(スマホ)入り口になってきてる。っていう風に、消費者は変わってる訳で、僕今、山下さんのバックアップ受けて、地域でアプリを普及できないかって動いてるんだけど、東北のある県でチャレンジをやってんだけど、実際僕が長期でいるときなんか自炊するからスーパーとか行くんだけど、もうスーパーで普通にPayPayだもんね。「そんなPayPayなんか普及しない」っていうから政策的にとにかくさっき言ったように世界的にECとか電子マネーが遅れた日本が、国策でもうとにかく、今回無理矢理、ね?そっちの決済の方に、電子決済の方に動かそうとしてるって言った時には、消費者は早く動くからね。お得だし。普通に地方都市のスーパーでは、電子決済がどんどん動いて、もうスマホ中心に、動いちゃってるって言うのが事実。
なんでこんな遅いんですかね、不思議。
で一方で、企業は、さっき言ったように大都市から順番に!要するに、ビジネスの世界では、順番で!
消費者は今一気に、これは日本だけじゃなくて、グローバルに動いちゃってる訳でしょ、まぁグローバルよく分かってると思うけど。
はい。
動いちゃってるわけだから、やっぱり、ここのギャップを早く埋めないと、ますます地域の企業ってやっぱり沈没しちゃう!こっから東京の大企業でも起こるかもしれないよ。
だから地域の企業さんとは限らないですけど、アプリの話すると、「まずこれやな、まずこれやな、その次アプリやな」っておっしゃるんですけど、ユーザーと一番近いのはアプリなんで、なんで別の事を先やろうとするんやろって?
さっき言ったようにアプリでできることってすごく単純な事で、今すぐできるわけでしょ。
そうなんですよ。
本当に。ニュース送ります。はい。ポイントカードの代わりやります。それから、クーポン送付します。って。今だって、例えばスーパーマーケットの例でいえば、やってることそのままスマートフォンで済ませるだけじゃん。
そうなんですよね。それだけなんですよね、本当に。
もっと言うと、一生懸命さパソコンでPDFにしたチラシをやってるスーパーさんあるけど、あんなもん見えないよね。スマートフォンとか。拡大すると、ぬぁぁ~とかなって。笑
もうお買い得商品みたいな形で、アプリで配信するだけで、まるっきり変わるわけだから、まあもっと言うとPC中心で物を作ってそれを何とかスマホに合わせていくって言うのが地方の主流。
そういう考え方がちょっと違いますね。
むしろもう逆だから。
もう放置でいいですよね。(PCのスマホ対応)
そう。その通り。その通りなんだけど、そこはやっぱ作ってるのはIT会社さんだから、システム会社さんなんで、それは移行してないって。まぁ僕も知り合いいっぱいいるからあんまり悪口は言いたかないんだけど。やっぱりその、地域経済を支えてるのは、東京の地域だって一緒で、地元の中小企業だったり、中堅企業だったりするんだってとこ。ここをどうするのか、っていうところは、やっぱりみんなが真剣に考えないとダメで、まぁその1つに、アプリですべて解決するなんてとんでもない、思ってはないけど、手っ取り早く!
手っ取り早いです、本当に。
アプリさえやってしまってどっかのECにつないでしまえば、すぐさま世界で勝負できるわけだから。
俺もユーザーがそうなってるんで、入り口を早く!って思ってるんですけどね。
そうそう。だから本当に、ウェブで、ブックマークにしてアクセスするなんて行為最近見ない、ほとんどやってないと思うけどね。
しないです。
本当に。だから最近、ちょっと話逸れちゃうんですけど、Googleの、マイビジネスとかももう凄くて、例えば僕がもし、今から自分がお店とかをやる人の立場になったら、多分ホームページ作んないです。Googleのマイビジネスが最初に出てきて、あそこで全部要件満たされてるんですよ!
あーそうだ。確かにその通りだ。
てことは、僕のイメージでは、ホームページは、あそこになるんで、あのさらに先に来る人。ほとんどいないと思うんですよね。
そうだよね。そっちの出来の方がいいですよね、パターンがあるもんね。(テンプレート)
いいです、いいです。
確かにさ、これ飲食ではあきらかにそうだよね。
そうなんですよ。だから、あそこにホームページがあるんですよ。
もう一番目は、Google。その次が、食べログ。
そうなんです。だからWebサイトなんて全く作る気なくて。ただあれ見た時に、この後もごはんに行こうってなってますけど、僕の考えだと、Googleで調べて、混雑時間まで分かるじゃないですか。次欲しいのって、クーポンですからね。
そうですね。
アプリないかなーって話なんですよ。
で道歩いてて、「この辺だったよなー」っていうときに、また検索する、ってなったら、僕そんなに店の名前覚えれないんで、その時にアプリ開いて、誘導して貰いたいだけなんですよ。それで尚且つ帰りにポイントカードと言われるんじゃなくて、ポイントくれるんで(アプリなら)
今のさ良い、飲食店の人に言ったら
もう本当それだけなのに
本当に作らなくていいと思う。
絶対作らなくていいです。
もうだからGoogleに渡して、そこの評価があがるように、頑張って、あとはアプリ作っといて、出来るだけアプリに誘導する。
そうなんですよ。だから『Webサイト』っていうのがGoogleマイビジネスにあるんですけど、あそこがそのうち『アプリ』ってGoogleがやってくれるか、もしくはGoogleにノックしてこれアプリのアイコン欲しいって言いに行ってあれアプリになれば…笑
まぁでもそういうのに変わってくるかもしれないね
ちょっと聞きたいとか。たとえば今日だったら、予約してますけど、ちょっと遅れるかもしれないじゃないですか、ちょっとチャットしたいだけなんですよ。本当に。「5分遅れます、すいません」と。
まぁ飲食店もある程度オーナーが、スマートフォン使えるのであれば、何の問題もない。
例えば、iPad1個置いといてチャット来てて、「あー遅れはるんやな」もうこれだけやと思うんで。もういろんな機能なんかいらない。
僕だったら、Facebookメッセンジャーとかで、一緒に飲む人に、アプリや場所を共有するとかね。
そうなんです、アプリで共有するんで、「こういうところもあるし行ってみー」とか一緒に行く人にアプリ送って、「ここだよー」っていう。そういう流れになるから。
まぁ、ITに対して少し、距離感があるって飲食の人って意外と多い、すごく多い、その辺でGoogleが解決してくれてる訳じゃん。
Google利用者の利便性を上げるために。笑
上げるために。笑
で、それこそ本当にITとAI時代の…まぁITの活用法だよね。
ある意味AIじゃん。Googleがやってることは。
Googleマイビジネスは凄いです。本当に。
おわり。
まとめ
いかがでしたか、確かに近年ユーザーはGAFA(ガーファ:Google/Apple/Facebook/Amazonの頭文字)によって知らず知らずに教育されています。Webやアプリのサービスを使う時についつい世界最高品質のモノと比べてしまう消費者相手に事業者はどのように対応していけばいいのでしょうか。「その内、順番に」などと事業者側の都合を消費者に押し付けていると消費者との距離は離れて行く一方です。
特殊でニッチな産業を除いて、時代の変化が激しい今、事業者は必死に喰らい付いて、新しい世界に挑戦しこれまでになかった価値を生み出していくしかありません。
スマホ時代はアプリ時代でもあります。そして、アプリは消費者と事業者を繋ぐ入口です。あなたが長い年月をかけて信念を持って築きあげた事業に入口を用意して消費者を招き入れてみてはいかがでしょうか。
どんなに素晴らしいお店や会社でも入口がなければ入れません。
まずはスマホの入口を用意することが2020年の新たな挑戦と言えるかもしれません。