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【Apple税】Facebook、Appleに手数料削減を要求するも却下

アメリカに本社を置く、世界最大規模のSNSである「Facebook」は2020年8月14日(現地時間)、多くの企業やお店が主にマーケティング目的で運営している「Facebookページ」向けの新機能の追加を発表しました。今回追加された新機能は「有料オンラインイベントがFacebookで開催できる機能」であり、Facebookページオーナーを対象に、昨今のコロナ禍の影響でリアルなライブを開催できない企業や、教室を閉鎖せざるを得なくなったオーナーなどを支援する目的で開発されました。

この有料オンラインイベント開催機能は、2020年4月の段階で一部地域にてテストが開始され、まずは20カ国で提供される予定です。
なお、今回の20カ国の中に日本は含まれていません。
新機能の追加により、Facebookページオーナーは「ライブ動画」を使ったオンラインイベントの作成ができるようになり、イベントの価格設定や参加費の回収もクリエイタースタジオで行うことが可能です。
また、新機能使用におけるオーナー側が支払う手数料についてFacebookは、「少なくとも来年いっぱいは手数料を徴収しない」と発表。「昨今のコロナ禍で多数の中小企業やクリエイターが苦労しており、1セントでも大事なはずだ。オンラインイベントへの移行はコストが掛かるが、Facebookから手数料を徴収される心配をする必要はない」としています。

そのため、WEB経由、あるいは「Facebook Pay」が利用可能な国でのAndroidアプリ経由の場合は、オーナーは参加料の100%を獲得できます。しかし、ここで問題になったのが、イベント参加者がAppleの端末(iOS)の場合です。iOS版のFacebookアプリ経由で参加料を払う場合、Appleが規定の手数料である料金の30%、いわゆる「Apple税」を徴収することになります。

Apple税の徴収について、FacebookはAppleに対し30%の手数料を削減するように要請しましたが、「残念ながらAppleはわれわれの要求を却下し、中小企業は苦労して稼いだ売り上げの70%しか得られない」と述べています。
Appleの対応についてFacebook側も、「AppleとGoogleのアプリストアにおける新機能購入時のアプリの支払い画面デザインを変える」ことで対抗。Android版は「Facebookはこの購入費用から手数料を徴収しない」と表示されるのに対し、iPhone版では購入ボタンの下に「Appleがこの購入費用の30%を持っていく」と表示され、間接的にAppleに対する批判のメッセージを伝えています。なおこの表示は現在、ガイドラインに違反することから、Appleによって削除されています。

Apple税については最近でも、世界中で人気のあるゲーム「Fortnite(フォートナイト)」を手掛ける米Epic GamesがAppleを控訴したことでも話題になりました。

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