一生ものの本革製品を手で作り上げる虎太郎屋。大切な顧客とのコミュニケーション方法とは
最初から最後まで、本革職人が心込めて手作りをするレザーショップ
虎太郎屋は、岡山県に工房を構える、レザーショップ。創業から16年、革の風合いにとことんこだわり、繊維の向きや細かな傷、そんなところまで気を使いながら裁断するため、すべて目と指で確かめながら革包丁・革鋏を使って手作業で行います。効率的に隙間なく取れるプレス機を「敢えて使わない」こだわり。
それはすべて、仕上がりの僅かな違いを大事にしたいという代表兼職人の岡崎さんの想いが込められています。
今回は、本革職人として製品を作るところからECサイトやイベントで販売事業までされている代表の岡崎さんにインタビューをさせて頂きました。
オンラインとオフラインどちらも大切にして顧客とつながっている虎太郎屋
「本革製品は主にECサイトで販売していますが、時にはキャンプ形式で開催される大型イベントにも参加しています。そこで新しいお客様がリピートで買ってくださる方も多いです。」
オンラインでの販売をメインにしつつも、オフラインイベントでお客様と関わる機会も大切にされ、その度にツーリングやキャンプが好きな方たちがファンになる虎太郎屋。
「コロナ禍になる前は年に10回程参加していましたが、今年は2回程の参加になりそうです。やっぱりイベントだと革の質感も触れますし、風合いもわかるので、イベントで見て、後日ネットから購入してくださるかたも多いんです。」
このようにして、withコロナの時代でできる範囲で、オフラインでも顧客とのコミュニケーションを欠かさず行いつつ、特にアプリを活用し、顧客との関係性を確実なものにされています。
「今一番人気の商品はハーレーダビットソンのガソリン予備タンクのカバーなんです。バイクが好きな人はカスタムしてたりして、タンクが小さい場合は予備タンクを持ってツーリングをする人も多いんです。これがモールの方で大ヒット商品になって。やっぱりニッチな商品ですし、その当時はうち以外商品として売っているお店はなかったんです。これがきっかけで、オプションでお財布とか小物を買ってくださったり、買って下さったお客様が友人に紹介をしてくださったり・・・そんな感じで、良いサイクルができているなと最近感じます。」
「あと、ショッピングモールによってはユーザーの層が異なるので、出品数や種類を敢えて差別化をしています。それぞれのモールで商品のニーズが違うなというのは感じますね。それぞれのショッピングモールの特性を活かして、ユーザーのニーズに合わせたものを提供することを心がけています。」
お客様の声を第一に、課題解決に取り組む
「うちは自社ブランドなので、まず認知度をあげる必要がありました。その認知度の壁はどうしてもでてくるので、イベントに参加したりもしていましたね。イベントはバイク関係のイベントなので、バイクが好きな人たちには広まるけど、それ以外の人たちにもまずは知ってもらうというのが大きな課題でした。そこで楽天などのショッピングモールに出店して、まずは広める取り組みを中心に行いました。」
「コツコツ続けてきたので、今となっては、うちの商品を身につける人を見かけたりとかもするようになったり、リピーターさんも徐々に増えました。リピーターさんが増えた要因の一つは、臨機応変に修理も対応しているところだと感じています。うちは手縫いなので、ミシンでなければ他社さんの手縫いのものもうちで修理ができるんです。」
「修理の問い合わせもいただくので、できる限りお問い合わせいただいたお客様のご要望に応えることができるようにしています。あとは、お問い合わせのご要望に応えられる商品がなくて、かつ自分でも作れるものであれば、新商品として開発することもできるし、そんな感じでお客様の声を拾って形にしてきました。」
広報やコミュニケーションツールとして、顧客が便利と思うものは何かと考えた時に、アプリが最適だと感じた
「お客様へいろんな情報をお届けする媒体としてメールやHPがあると思うんですけど、メルマガは本当に情報が埋もれてしまいますし、1日に100件くらい溜まってしまう時もあるので、メールはみないだろうなと思いました。そこで、気づいてもらうためにはどうすればいいかと考えた時に、アプリだなと思いました。」
虎太郎屋の公式アプリ
岡崎さんに、アプリの活用方法を伺いました。
「メインで使っているのはプッシュ通知ですね。楽天でお買い物マラソンがあるときに通知をしたり、イベントの案内をしたり、営業日の案内をしたり。案内することがあればアプリのプッシュ通知機能を使ってニュース配信をしています。」
「チャット機能を使って問い合わせも承ってます。これは便利だなと感じていて、まず運用的な部分でいうと、モールの問い合わせは、モールを開かないと返信ができないのでPC作業をしている時でないと対応ができず、対応が遅れたりしていたんです。作り手でもあり売り手でもあるので、常にパソコンの前にいるわけではなく、そこがネックだと感じてました。iPadでも開けるんですけど、ブラウザは時間がかかるので。」
「今はアプリのチャットがあるので、外にでていてもすぐにお客様の対応をすることができます。お客さんも楽でしょうし、運営する側も楽なのでwinwinだと思っていますね。」
アプリのチャットはお客様のお悩みを解決できるスピード感が早い
「基本的には受注生産なので、納期の問い合わせが多いなと思います。そういう問い合わせをチャットでいただいたりするのですが、スマホからすぐにお客様対応ができるという点がやっぱりいいなと感じます。」
「あとは、誕生月の人だけとか、特定の人にプッシュ通知ができるセグメント配信をしているのですが、それがいいですね。必要な人に必要な情報だけを届けることができるので、お客様にとっても良いと思いますし、活用しています。今やっているのは誕生月の人だけに割引の案内をしています。」
「これからはイベント時にスタンプ機能やクーポン機能も使いたいなと思っています。どんどんアプリを通した体験をしてもらう予定です。」
イベント時や商品にポップを同封してアプリのダウンロードを促進
アプリのダウンロード促進について取り組まれていることを岡崎さんに話して頂きました。
「イベントの時期は、お店に来てくださった人にアプリダウンロードしてもらうと割引の特典が付くような案内をしていました。ECサイトの方は注文してくれたお客様に商品を発送するときに、ポップを同封して、アプリのダウンロードを促しています。御社で作ってもらったポップをうちで増刷してそれを入れていますよ。」
今後の展望
「作り手から売り手まで自分一人でやっているので、お店を大きくしていくのはなかなか難しいなと感じているのですが、まずは今の規模感で、顧客に喜んでもらえるものを作っていけたらなと考えています。」
「今考えてるのは、1年の中でも売れない時期っていうのがあって、そこの時期を埋めるような、そして顧客のニーズに合うような商品開発を試作中です。その商品が完成したら、ECサイトで注文を受け付けるのはもちろん、またイベントにも参加して、お客様に手にとって頂きたいなと思っています。こういった情報も、またアプリで案内していきたいですね。」
虎太郎屋は、岡山県に工房を構えるレザーショップ。創業から16年、革の風合いにとことんこだわり、繊維の向きや細かな傷、そんなところまで気を使いながら裁断するため、すべて目と指で確かめながら革包丁・革鋏を使って手作業で行い、ECサイトやイベントでお客様に提供しています。本格的な手縫いの本革製品と、臨機応変に対応してもらえる顧客ファーストなスタイルで、ファンをどんどん増やしているショップです。