AppleとGoogleの切っても切れない関係性
先日、新型コロナウイルス感染防止・早期発見対策として、
AppleとGoogleが提携する、というニュースがありました。
※Bluetoothを利用し、濃厚接触を検出する仕組み
参照:【AppleとGoogleが提携】スマホのBluetoothで濃厚接触を検出【AppleとGoogleが提携】スマホのBluetoothで濃厚接触を検出
誰でも知っている世界的企業の両者ですが、素朴な疑問が浮かびます。
両者は対立しているライバルなのか?それともビジネス上の良きパートナーなのか?
iOS を搭載したiPhoneを販売するAppleと Androidの生みの親であるGoogleは、
ライバルであり、お互いに対立しているとよく言われます。
ですが、iPhoneユーザーは日頃からSafariの検索エンジンとしてGoogleを利用していますし、
逆に、AndroidユーザーはiPodなどのAppleのデバイスに触れたことがある方も多いと思います。
というように、実際の AppleとGoogleの関係はライバル・パートナーという
二項分類では表しきれない、微妙なものです。
そちらをインフォグラフィックを交えて説明していきます。
以上のように、Apple と Google はそれぞれ異なる分野で売上の大半を稼いでいます。
なので、同じ市場でメインで対立しているわけではないことが良くわかります。
そして、AppleもGoogleも互いを必要とする要素があります。
Appleにとって、iPhone/iPad/Macを売るには、高い人気を誇る Google 検索エンジン・Google Mapsなどのサービスが必要です。
Googleにとっても自社のサービスを利用できる端末が(Android以外のデバイスも含め)多いほど、広告がクリックされ、売り上げが上がります。
一方で、AppleとGoogleは対立する要素も持っています。
まず、AppleにとってGoogleに依存することは望ましいとはいえません。
依存度が高い状況でサービスの使用料を求められれば、支払わざるを得なくなります。
そのために Apple は、iCloudなどを提供したり独自のMapアプリを用意するなど、
バランスをとっているのだと考えられます。
GoogleにとってもAppleに依存することは危険です。
(今のところ現実的ではありませんが)AppleがSafariのデフォルト検索サービスを変更して、
独自の検索サービスを導入すれば、Googleにとって大きな痛手となります。
そのために、GoogleはAndroidを開発し、モバイルPCやスマホのハードウェア機器の
自社開発も積極的に進めているのだと考えられます。
とはいっても、今のところ本質的な対立は起こっていません。
iCloudやAppleTV+(アプリ)を利用するのは主にAppleユーザーのみであり、
Appleのいくつかのソフトウェアサービス・ウェブサービスは、Googleを脅かすようなものではありません。
そして、AppleもいまだGoogle検索エンジンをSafariに導入しており、
一時はiAdというモバイル広告プラットフォームサービスを開始するも、
Googleとの争いをきっかけに2016年に撤退しており、2020年現在Appleによる類似サービスは存在しません。
このように、小規模な対立を繰り返すものの、
両社共にバランスをとりながら現在の関係を保ち続けるものと思われます。