公務員やコールセンターも新様式に合わせてフルリモート化へ
新型コロナウイルスの影響を受け、多くの会社や組織で職場に出勤しない働き方「リモートワーク」の導入が進めてられています。しかしその一方で、「リモートワークを導入することが難しい」と頭を抱える経営者や現場担当の方も少なくありません。
そこで今回は、コールセンターと市役所それぞれにおけるリモートワークの導入事例をご紹介します。リモートワークを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
株式会社ビースタイルメディアの事例
まずご紹介するのは、「株式会社ビースタイルホールディングス」のグループ会社であり、主婦に特化した求人サイト『しゅふJOBパート』を運営する「株式会社ビースタイルメディア」の事例です。
ビースタイルメディアは新型コロナウイルスの感染拡大防止を受け、パート社員を含めた全15名の社員の業務(コールセンター)をフルリモート化する取り組みを実施しました。
ビースタイルメディアは、2020年4月3日にフルリモート化の判断をし、約2週間後の4月19日に準備を終え、4月22日から全社員の完全リモートワーク化が完了しました。今まで前例のない完全リモートワーク化を成功させた理由として、下記3つの課題の解決が大きく影響しています。
1. 業務上で発生した不明点を、すぐに声掛けによる質問ができない
2. 顔を合わせる定例会議の実施方法
3. 急速なリモート化や初めての取り組みによる不安払拭(フォロー体制の整備)
これらの課題に対して、「社内SNSの導入」「zoomなどのサービスを利用した会議」「Googleスプレッドシートを活用した資料共有」など、従来ではアナログで行なっていたことをデジタルに置き換えることで、リモートワークの実現が可能になりました。
また、社員各々の自宅のインターネット環境やPC・スマートフォンの有無などの業務環境を把握した上で、足りない物は会社が補い、業務を円滑に進める環境を整えたことも、完全リモートワーク化につながりました。
神戸市役所の事例
続いてご紹介するのは、神戸市役所がリモートワークを取り入れた事例です。
神戸市役所では、緊急事態宣言が発令された翌日の4月8日に、年次有給休暇取得や在宅でのテレワーク、フレックス出勤などの励行が強くアナウンスされました。4月13日には、「職員の出勤7割削減」という明確な目標が掲げられ、職員の働き方も大きく変化せざるを得ない状況になりました。
しかし、すぐに職員の出勤数を減らすことは簡単ではありません。そこで神戸市役所が最初に取り組んだことが、「業務スペースを拡大」することでした。職場のレイアウトを変更し、換気も行うことで、職員同士の感染リスクを抑えることに努めました。
続いて、リモートワーク環境を整えるために、緊急事態宣言以前より支給が開始されていた職員個々人の業務用PCの活用と、庁外のネットワークを使用するための通信端子(LTE)の支給が実施されました。各電車デバイスの支給により、在宅でも従来通りの業務を行うことが可能になりました。
役所の業務は複雑なものも多く、すぐにリモートワークに移行することが難しいかもしれません。けれども、神戸市役所のように、一つひとつの課題をクリアしていくことで、リモートワークで業務を進めることは不可能ではありません。