「公式アプリを運用するべき理由」を”現役大学生”と本気で考えてみた
今回はスマホアプリ専門の開発会社アプリクッキングが未来を担う現役女子大学生と公式アプリを運用するべき理由について本気で考えてみました。大学生という事もあり今回は論文風にまとめてみました。
公式アプリの例
まず、主要な公式アプリを3つご紹介します。
Starbucks(スターバックス)
スターバックスジャパンの公式アプリでは、アプリ内バーコード支払い(チャージ式)、店舗で販売しているビバレッジやフードの情報の確認、ポイント機能、日本国内にある店舗の検索などができます。これによりユーザーはチャージしたお金がアプリに残っているため、他店の利用を控え再来します。購入する度に貯まりポイントも再来の理由の一つです。ポイントがたまる満足感とアプリのみで決済ができる快適さに心地良さを感じているのです。
UNIQLO
ユニクロの公式アプリを利用すると、気になる商品の在庫をチェックしてすぐにその商品を買うことのできるお店の把握、アプリの会員証をレジで提示してクーポンの獲得、着こなし記事やデジタルチラシでのお得な情報の獲得などができます。これによりユーザーはアプリ開封が習慣化され着こなし記事等の閲覧により教育され明確な目的意識を持ち来店ができます。
吉野家
吉野家の公式アプリには、クーポンの配布、キャンペーンやサービスの紹介、メニューの閲覧、店舗検索、吉野家ポイントの交換などの様々な便利な機能があります。このように、お店の公式アプリは、情報収集をするお客様に確かな情報を与えるためや、お店をより多く利用してもらうための大きな役割を果たします。
では次に、公式アプリの運用開始時期について述べます。
運用開始は2020年がベスト
理由は大きく2つあります。
1つ目は、「キャッシュレスの普及」です。
日本におけるクレジットカード、デビットカード、電子マネー決済合計額の民間最終消費支出に対する比率は、2003年は8%、2015年は18%、そして2016年には20%へ上昇しました。
また、2018年4月に、経済産業省は2025年までに紙幣・硬貨を使用しないキャッシュレス決済を40%まで引き上げる「キャッシュレス・ビジョン」を策定しました。加えて、訪日外国人旅行客(インバウンド)対策として、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックまでに、外国人が訪れる主要な施設・観光スポットにおいて100%のクレジットカード決済対応を目指すことも公表しています。
このように、日本国内では今後、ますますキャッシュレスの普及が進むと考えられます。この普及に伴い、このタイミングでアプリでもキャッシュレス化を進めることによって、お店の利用客の増加が期待できるからです。
2つ目は、「リモートワークが進むため」です。
リモートワークとは、会社に通勤しなくても働くことのできるスタイルです。リモートワークのメリットとして、時間の節約・生産力の向上、個々に応じた働き方が可能、優秀な人材を地域問わずに採用できる、などが挙げられます。
労働者は、通勤の疲労によるストレスがないまま一日の仕事を始めることができ、結果として全体の生産性が向上する可能性が高くなります。また、望むライフスタイルに合わせて柔軟なワークスタイルを選ぶことができるため、働き方の改革につながります。そして何より、求人の対象が広がるため、地域に関わらず優秀な人材を確保しやすくなる、という企業にとっての直接的なメリットがあります。
また、5Gを含む情報通信技術の発達により低遅延化が進み。それに伴いビデオ会議やチャットでのコミュニケーションが主流になります。この機能を公式アプリに搭載する事で多くの働き手と繋がることが可能になります。以上が、2020年にアプリの運用を始める理由です。
近未来のデジタル技術
次に、今後主流になるデジタル技術について述べます。
一つ目の技術はAI(人工知能)です。
AIとはArtificial Intelligenceの略です。人工知能は「特化型人工知能」と「汎用人工知能」の2つに分けられ、特化型人工知能は、一つのことに特化した人工知能を指します。
例えば、画像認識や音声認識などの技術や、自動運転技術やPONANZAなどの将棋AIも特化型人工知能と言えます。
現在では、人工知能関連の研究のほとんどがこの特化型人工知能の研究です。対して、汎用人工知能は、簡潔に言うと「なんでもできる人工知能」です。一つのことしかできない特化型人工知能と異なり、汎用人工知能は、与えられた情報をもとに自ら考え、応用することができます。人そのもののようなふるまいをする、というようなイメージです。
二つ目の技術はARです。
ARは、「拡張現実感(Augmented Reality)」の略で、実際の景色、地形、感覚などに、コンピュータを使ってさらに情報を加える技術を指します。実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示することで、目の前にある世界を仮想的に拡張するというものです。
近年は、スマホ向けサービスとして比較的簡単に実現できることもあり、日常生活の利便性を向上させ、新しい楽しみを生み出せる新機軸の技術として、注目を集めています。ARを使ったサービスの例として、スマホ用ゲーム「ポケモンGO」が挙げられます。
2016年に世界で一大ブームを巻き起こしたその要素として、「ARモード」が重要な役割を果たしたと考えられています。登場したポケモンがスマホ画面内で目の前の風景に重なって表示されることで、ポケモンたちが現実世界に現れたかのような実在感が出てきます。これにより、画面上のCGだけで完結するゲームとは違ってその世界に没入できるのです。
三つ目の技術はIOTです。
IOTとは「Internet of Things」の頭文字を取った単語です。日本語では一般的に「モノのインターネット」と呼ばれています。端的にいうと、身の回りのあらゆるモノがインターネットにつながる仕組みのことです。これまでも、パソコンや携帯電話などのモノがインターネットにつながっていました。IOTでは、これまでインターネットとは無縁だったテレビやエアコンがインターネットにつながることにより、モノが相互通信し、遠隔からも認識や計測、制御などが可能となります。人が操作してインターネットにつなぐだけではなく、モノが自らインターネットにアクセスすることがIOTの特徴です。
これらAI・AR・IOTを実用的なコンテンツにするにはアプリ化する必要があるため、近い未来、全ては公式アプリに実装可能な機能になると考えられます。
これらを踏まえて、今後の世の中の流れはどのようになっていくのでしょうか。ここでは、DX(デジタルト・ランスフォーメーション)について説明します。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
AppleWatchは時計からデジタルウォッチに進化し、iPhoneとリンクさせる事で新たなサービスが生まれ。世の中に変革をもたらしました。ただのデジタル時計への”変換”ではなく”変革”。すなわち、デジタルトランスフォーメーションと言えるでしょう。
経済産業省が2018年12月にまとめた「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」では、DXとは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されています。
ここで、前出のスターバックスジャパンの例として、ポイントカードが挙げられます。スターバックスはこれまで紙が主流だったポイントカードをアプリで貯めれるようにDXしたのです。このポイント機能は2017年に実装され、ポイントカードに変革をもたらしました。
また、世界的に有名なDXで成功した企業の例として、Amazonが挙げられます。Amazonは、巨大なECプラットフォームを構築したことで、ユーザーはどこにいても何でも好きなものが買えるという環境が得られました。買い物に行くという「行動」を完全にデジタルに置き換えたのです。
また、AmazonのECサイトの個々の商品のページには、「よく一緒に購入されている商品」や「この商品を買った人はこんな商品も買っています」といったタイトルの下、関連が高い商品が掲載されています。これは、今では多くのECサイトでも実施されているレコメンド機能といい、類似したユーザーの購入情報に基づいた商品や、ユーザー自らの過去の購入情報、あるいはこの両手法を合体させてハイブリッドでユーザーに適した推薦商品を自動で表示します。
Amazonは、このレコメンド機能を実装したサイトの先駆者として知られています。店舗の店員のように、個々のユーザーに応じて商品を推薦する機能をサイトに実装し、ユーザーの行動をさらに活性化するという点で、DXといえるでしょう。ユーザーが次に何を欲するかという、これまでは店員の「知識」や「経験」から生み出されてきたことを、デジタルに置き換えたといえます。
このような機能は時間の経過と共に誰もが実装可能なアプリの機能になると考えます。
IT化を国が後押し
IT導入補助金について述べます。
IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者が、自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を国が補助することで、働く人の業務効率化・売上アップをサポートするものです。補助対象者は、中小企業・小規模事業者等(飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等も対象)です。生産性の向上に資するITツール(ソフトウェア、サービス等)を導入する際の対象経費の1/2、最大450万円が補助されます。補助金の活用で、IT導入による業務効率化・売上アップが期待できます。
2019年のIT導入補助金の詳細を参考までに載せておきます。(公式サイト)
まとめ
最後にまとめとして、なぜ公式アプリの運用をするべきかについて改めて述べます。アプリの運用を始めて、すぐに利用者がダウンロードをしてくれるわけではありません。自社のことをもっとたくさんの人に知ってもらい、正しい情報を提供するには、それなりの時間がかかります。
現代は”スマホ中心の社会”といわれますが、アプリ中心の社会の中で、今後全ての中心となるアプリを、自社で持っておくべきです。これは、前述にあるように国家が押し進めるITによる生産性の向上を図る政策からも、うかがえます。また、SNS、ブログ、ホームページなど、様々な情報が乱雑する中で、それらの情報を一箇所にまとめることで、自社にとっても利用者にとっても大きな指針となるからです。利用者に自社の情報を正しく知ってもらい、今後ますます利用者を増やして利益を出すために、公式アプリの運用が必要だと考えます。
ー 最後に、アプリクッキング代表の山下氏に意見を聞きました。
「ユーザーファーストが今からの時代、いかに重要か。そして、本当のユーザーファーストとは何か。これを理解している経営者から『公式アプリ』をスタートしている。それだけのことであり、2025年には何が正解だったか決着はつく。」
以上。
「公式アプリを運用するべ理由を現役大学生と本気で考えてみた」でした。